湯本ホタル農法米
当協議会は、休耕田を活用した「ホタルの里」づくりの一環として自然との共生を図るため、無農薬・無施肥で栽培を行う生き物ブランド米「湯本ホタル農法米」の生産に取り組んでいます。
ご購入は
こちらのページへお進みください。
湯本ホタル農法米ができるまで
【春】
湯本ホタル農法は、雪解けのあと、水田の整備と種まきから始まります。
種もみは、手間はかかりますが薬品を使わない「温湯消毒」によって病気を抑え、苗箱の土も無肥料のものを使用。
初期生長も遅いため、「プール育苗」によって生育を促します。
湯本地区は寒冷地のため、田植えはほかの地域より遅い5月下旬に行います。
【夏】
夏の間は、ひたすら雑草との戦いです。タイヌビエやコナギが強害雑草で、根気のいる除草作業が必要です。
しかし、その雑草の中に絶滅危惧種が混ざっていたり、さまざまな昆虫を観察することができます。
夜になればヘイケボタルの乱舞が見られます。
慣行栽培には負けますが、稲は力強く育っていきます。
【秋】
収穫の秋は、台風の秋でもあります。無施肥の湯本ホタル農法米は、背丈があまり高くならないために、強風にも
よく耐えます。稲穂が色づく10月上旬に稲刈りを行います。その後脱穀、籾摺り、精米の作業を経て、湯本ホタル
農法米は食卓にのぼります。
水田がさまざまな生き物のすみかに。
水田は人が長い歴史の中で作り出した人工の湿地のようなものです。
また、一年を通して水をためたり抜いたり、土をかき回したりします。人の手が多く加わる水田ですが、その環境に
うまく適応した生き物たちがいました。
近年は農薬や化学肥料の使用により、こうした水田の生き物は全般的に減少傾向にあります。
しかし、無農薬・無施肥の「湯本ホタル農法米」の水田では、そんな昔の水田にみられた生き物たちが、生き生きと
暮らしている様子が観察できます。その中には現在、絶滅危惧種に指定されているものも含まれています。
おいしくて、安全。
湯本地区の水田の水は、ブナやミズナラの森から流れる清流です。この水と土、標高約600mの冷涼な気候、
そしておいしい空気がお米を育てます。種もみから無農薬で育てるお米は安全そのものです。
炊いたお米はつややかで、もちもちとした食感、上品な甘みが楽しめます。
地域の未来を担うお米。
天栄村・湯本地区でも過疎化・高齢化は進んできています。しかし、豊かな自然、おいしい農作物、茅葺き屋根の家、
人の温かさなど、現代社会が置き忘れてきてしまった大切なものが、そのままの形で残っている場所です。
「湯本ホタル農法米」は、そんな湯本だからこそできるお米として、地域の農業を守り、後世に受け継いでいくという
大切な役目も担っています。